ただ1回の公演のために東京に来るのではなく、東京に少しの間滞在して、クラシック音楽を満喫しようと考えました。
そして、この機会を利用して、新しい透析を実践しながら、コンサートに通い続けたいと考えたのです。
その話をきりだしたときに、家族は大反対しました。
特に看護師の娘は反対しました。
「なぜわざわざ東京まで行って透析をする意味があるの?」
としかめ面で詰め寄ったそうです。
「お母さんの透析は、通常の医療機関でおこなっている標準的な透析だよ。だから別に新しいことを試す必要なんてないじゃない。
みんなと同じで何が悪いの?」
娘は看護師で、職業柄透析のこともある程度知っていたので、こう反論しました。
しかし、佐藤さんは自分の考えを伝えることを諦めませんでした。
「多くのクリニックで行われている標準的な透析は、本当は不十分だし、良い方法ではないんだよ。
私が通っている透析施設は、少し時間を伸ばして欲しいといっても聞き入れてもらえない。
でも、東京には新しい透析を行なっているクリニックがあって、そこで時間を伸ばすことで、体調が改善していけば、生活も変わると思う。
きっと長生きだってできる。
だからあなたもここのところを理解して、私を応援してほしい」
佐藤さんの真剣な説得によって、家族も理解してくれました。
最終的には、
「お母さんの体のためになるのなら、何でもやったほうがいいよね」
と、快く佐藤さんを送り出しました。
これは前代未聞のチャレンジでした。
佐藤さんにも確信があったわけではありません。
しかし、自分の体調、そして将来のために、思い切ってこのチャレンジに踏み切ったのです。
初めてのことで、戸惑うことも沢山ありましたが、東京のOasis Medical田端駅前クリニックを利用することに決め、意を決して連絡をとってみました。
そこで自分の意思を伝えると、事前準備から来院まで、物事はスムーズに進んでゆきました。
コンサートや、美味しい食べ物を堪能するかたわら、新しい透析にチャレンジした佐藤さん。
体調がずいぶん良くなったことを実感していましたが、地元の透析クリニックに戻ると、衝撃の事実が明らかになりました。